点滴の報告はどのようにしたら良いですか?
学生さんの実習を担当している臨床指導者のもふにゃんです。
実習中の点滴の報告の方法についてまとめていきますね。
この記事は看護実習で受け持つ患者さんが点滴をしているといった看護学生さんに役立つ記事になっています。
<本記事を読むメリット>
- 実習中の点滴の報告の方法がわかる
- 看護実習への不安が小さくなる
点滴をしている患者さんを受け持った場合、点滴についての報告はどうやったらいいの?
報告はただでさえ緊張するのに・・・
点滴のことまで報告しなくちゃなんて無理(-_-;)
そんなあなたのお役に立てますように・・・
普段学生さんからの報告を受ける立場の目線から、
点滴の報告の方法をわかりやすくまとめていきますね。
目次
看護実習中の点滴の報告の方法
点滴をしている患者さんを受け持った場合、点滴についても必ず報告する必要があります。
普段のケアなどの報告でも、緊急で報告すべき時と、そうでない時がありますよね。
点滴についても同じです。
緊急の報告が必要な場合と、他の報告の時のついででよい場合があります。
それぞれについてまとめていきます。
緊急の報告が必要な場合は?
患者さんの様子がおかしい場合
- 患者さんが苦しそうにしている。
- 冷汗をかいている。
- 気分不快を訴えている。
- 蕁麻疹が出ている。
などなど・・・
患者さんの様子が明らかにおかしい場合には、近くにいるスタッフに直ちに報告してください。
点滴投与により副作用が出る場合があり、その場合には点滴を中止する必要があるからです。
アナフィラキシーショックなど、命の危険につながる場合もあります。
近くにスタッフがいなければ、患者さんのそばからは離れず、ナースコールを押してスタッフを呼びましょう。
点滴ボトル・ルート、点滴の滴下、点滴機器に異常がある時
- ルートの接続部が外れている。
- ルート内へエアが多量に入っている。
- ルート内や点滴ボトル内に異物が混入している。
- 点滴が全く落ちていない。
- 点滴機器のアラームが鳴っている。
などなど・・・
点滴のボトルやルート、滴下、点滴機器などの異常に気付いたら、ただちに報告する必要があります。
すぐ近くにいるスタッフに声をかけるが、すぐ近くにスタッフがいない場合には患者さんにナースコールを押してもらい、指導者以外のスタッフで良いので速やかに対応してもらいましょう。
点滴もれの疑いがある場合
- 患者さんが痛みを訴えている。
- 点滴刺入部が赤くなっている。
- 点滴刺入部周囲が腫れている。
- 点滴刺入部のフィルムやテープが濡れている。
- 点滴刺入部の固定のテープがはがれそう。
- 点滴の滴下不良がある。
などなど・・・
これらは点滴漏れが疑われるケースです。
点滴刺入部周囲や疼痛の有無の観察をしっかりして、異常が見られたらすぐに指導者や他スタッフに報告してください。
点滴が終わってしまいそう、終わってしまった時
点滴が終了したままになってしまうと、刺入部が凝固してしまい、次の点滴が投与できなくなります。
点滴の空ボトルのほうに血液が吸い上げられて逆流してしまうこともあります。
看護師が管理していて、終わりそうな頃に患者のところに来て対応してくれるとは思いますが、滴下数が途中で変わってしまっていたり、他の業務で手が離せない状況だったりすると、点滴投与が終わったままになってしまう場合があるかもしれません。
点滴が終わりそうな時には、患者さんに手元のナースコールを押して頂きましょう。
担当看護師が手が離せない状況でも他のスタッフが対応してくれます。
点滴施行中は観察すべきことが沢山あります。
看護学生として点滴を管理することも必要。
別記事「看護実習での点滴管理の方法と観察のポイント」も参考にしてみてくださいね。
緊急時以外の点滴の報告の方法
緊急時以外では、バイタルサインやケアの報告をする際、ついでに点滴のことも報告すれば良いです。
バイタルサイン測定やケアについての報告については看護実習で差がつく報告の方法【ステップに当てはめるだけ・具体例あり】を参考にしてみて下さい。このステップに沿うだけで簡単に報告ができるので、実習での報告に対する不安や恐怖が小さくなるはずです。
報告すべきことは次の3つです。
①なんの点滴がどういう目的で投与されているか?
②点滴の滴下速度と終了予定時刻について報告する。
③患者さんに異常がないことを報告する。
①なんの点滴がどういう目的で投与されているか?
報告時に、なんの点滴が投与中であるのかを報告します。
また、どういう目的でその点滴が投与されているのかについて、自分の考えを入れて報告します。
具体例:
「バイタルサイン測定時、スルバシリンの点滴が投与されていました。
〇〇様は12月1日の胸部レントゲン検査で肺炎像が認められています。
採血検査でもCRPが異常値で、炎症を起こしている状態であるため、肺炎の治療として抗生剤の点滴が投与されていると考えます。」
日によって指導者が変わると思います。
報告をする相手がまた同じ指導者なら、
「本日も肺炎の治療として、抗生剤の点滴が施行されています」
と伝えればよいです。
次の日の指導者がちがう人に変わった場合には、最初に報告した時と同じように
「何の点滴がどういう目的で投与されているのか」
を報告するようにします。
そうすれば、あなたがきちんと理解しているということが、どの指導者にも伝わります。
②点滴の滴下速度と終了予定時刻について報告する。
バイタルサイン測定やケアの際、点滴の滴下の速さや残量もしっかりと観察しておきます。
そして、報告の時に、点滴の滴下の速さや残量、終了予想時刻を報告できると完璧です。
具体例:
「バイタルサイン測定時、抗生剤のスルバシリンの点滴が2~3秒に1滴ほどの速さで滴下されていました。
9時30分に確認した際、残量はあと50mlほどでしたので、10時頃に終了しそうです。」
バイタルサイン測定の報告以外でも、ケアの報告をする時など、点滴施行中であったとしたら、報告のたびに点滴の残量や点滴が終わるまでにかかる時間について報告するようにしましょう。
点滴の計算式は学校で勉強したと思います。
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③患者さんに異常がないことを報告する。
患者さんの全身状態の変化はないか、点滴刺入部周囲の異常は見られないか、について報告します。
この時、点滴の末梢ラインはどこに留置されているのかも伝えながら報告できるようにすると良いです。
具体例:
「今のところ〇〇様の様子に異変は見られず、右上肢前腕の点滴刺入部周囲の発赤や腫脹、疼痛も見られていませんでした。
今後も引き続き観察をしていきます。」
さてさて、3つのポイントはわかったでしょうか?
全部まとめてもう一度、具体例でおさらいをしましょう。
例)肺炎の治療として抗生剤の点滴が投与されている場合
<報告の具体例>
「バイタルサイン測定時、スルバシリンの点滴が投与されていました。
〇〇様は12月1日の胸部レントゲン検査で肺炎像が認められています。
採血検査でもCRPが異常値で、炎症を起こしている状態であるため、肺炎の治療として抗生剤の点滴が投与されていると考えます。
スルバシリンの点滴は2~3秒に1滴ほどの速さで滴下されていました。
9時30分に確認した際、残量はあと50mlほどでしたので、10時頃に終了しそうです。
今のところ〇〇様の様子に異変は見られず、右上肢前腕の点滴刺入部周囲の発赤や腫脹、疼痛も見られていませんでした。
今後も引き続き観察をしていきます。」
こんな感じで報告できれば完璧です!
指導者以外のスタッフに対応してもらった場合の報告
万が一、すぐに報告すべき異常があったりして、指導者以外のスタッフに報告して対応してもらったら、いつどんなことがあって、誰に報告し、どのように対応してもらったか、を指導者に伝えるようにしてください。
他スタッフに対応してもらった時、指導者に報告すること:
- 何時何分頃
- どんなことがあったか
- 誰に報告したか
- どのように対応してもらったか
- 現在はどうなっているか
具体例:
「14時30分頃、〇〇様とコミュニケーションを図っていた際、点滴の滴下がとてもゆっくりになっていたので観察したところ、右上肢前腕の刺入部周囲に発赤と腫脹がみられ、疼痛もありました。
ちょうどその時、担当看護師の鈴木さんが〇〇様のところにいらっしゃったので報告したところ、点滴の差し替えをして下さいました。
現在は左上肢前腕から点滴が施行されており、点滴差し替え以後は異常は見られていません。」
こんな感じで報告します。
実習中の点滴の報告の方法まとめ
それでは最後にまとめです。
点滴をしている患者さんを受け持った場合、点滴についても必ず報告すること。
緊急の報告が必要な場合と他の報告の時のついででよい場合がある。
緊急の報告が必要な場合
・患者さんの様子が明らかにおかしい場合
・点滴ボトル・ルート、点滴の滴下に異常がある時
・点滴もれの疑いがある場合
緊急時以外の報告の方法
緊急時以外では、バイタルサインやケアの報告をする際、ついでに点滴のことも報告すれば良い。
報告すべきことは次の3つ。
①なんの点滴がどういう目的で投与されているか?
②点滴の滴下速度と終了予定時刻について報告する。
③患者さんに異常がないことを報告する。
指導者以外のスタッフに報告して対応してもらった場合には以下の5つを指導者に報告すること。
①何時何分頃
②どんなことがあったか
③誰に報告したか
④どのように対応してもらったか
⑤現在はどうなっているか
以上、実習中の点滴の報告の方法についてまとめてみました。
少しでもあなたのお役に立てればうれしいです(*’▽’)
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バイタルサインやケアの報告の方法については、別記事「看護学生の実習の報告の方法」を参考にしてみて下さいね。
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最後まで読んでくださりありがとうございました。