「地域包括ケア病棟、正直つらい…」
そう感じていませんか?
- 毎日忙しいのに達成感がない
- 退院調整や家族対応に疲れる
- 「これって看護なの?」と感じる
もしひとつでも当てはまるなら、それはあなただけではありません。
地域包括ケア病棟のつらさは、経験した人にしか分からない独特のものがあります。
この記事では、実際に地域包括ケア病棟で働いた経験をもとに、以下を解説します。
- 地域包括ケア病棟がつらい理由
- 向いていない人、向いている人の特徴
- 辞めるべきかの判断基準
- 対処法
結論から言うと、無理して続ける必要はなく、自分に合わないと感じたら環境を変えるのも正解です。
目次
地域包括ケア病棟がつらい理由
1. 地味なのに終わらない忙しさ

手術や検査、緊急入院、医療処置など、急性期病棟は目に見える分かりやすい忙しさがあります。
急性期の看護師は常にせかせかと動き回っており、急性期ならではの忙しさがあります。
地域包括ケア病棟では、目に見える分かりやすい忙しさではなく、なぜか蔓延とした忙しさがあります。
認知症患者さんの対応や、退院調整、患者への指導など、急性期のような華やかさがあまりないく、地味な仕事が沢山あって忙しいのです。
この地域包括ケア病棟ならではの忙しさは、実際に経験した人にしか分からない感覚ですよね。
2. 何でも屋の病棟ならではの大変さ
地域包括ケア病棟には、急性期病棟から次々と様々な疾患の患者さんが転棟してきます。
いわゆる「何でも屋」といった感じです。
疾患は本当にさまざまです。
整形外科、外科、内科、循環器内科、脳外科、泌尿器科・・・本当に様々な疾患の患者さんが混在しています。
患者さんの回復過程もそれぞれで、もうすっかり回復して数日で自宅に退院できる人もいれば、あと数日で看取りになる患者さんもいます。
急性期病棟の空きベッドがないという理由で、まだ急性期っぽい亜急性期の患者さんも転棟してきます。
認知症がひどすぎて急性期病棟では手に負えなくて転棟して来た患者さん、退院へ向け一から自己管理の指導が必要な患者さん、ベッド上で過ごしていたけれどこれから退院へ向け離床を開始しなければならない患者さんなど、急性期のような華やかさはないけれど地味に手がかかる患者さんが沢山います。
もう治療は終了して退院できる状態なのに、介護者がいないために退院先がない、退院先が見つかるまで帰れないという患者さんもいます。
疾患は様々、回復過程もそれぞれ違い、患者さんが抱える事情もそれぞれで、まさに何でも屋の地域包括ケア病棟の看護師には、じつは想像以上の知識や応用力が求められます。
何でも屋、という辛さは、ここで働いた人にしか分からないかもしれませんね。
3. 医療処置が少なくやりがいを感じられない
地域包括ケア病棟では、亜急性期の患者さんもいますが、基本的には急性期を脱して病状が落ち着いた患者さんが多いので、高度な医療処置を必要とする患者さんはいません。
時々患者さんの容態が変化して、緊急手術や高度な医療処置が必要となる場合がありますが、そのような場合には急性期病棟へ転棟となります。
地域包括ケア病棟での医療処置は、点滴や褥瘡処置、経管栄養の管理などであり、たまに輸血があったり、緩和的な処置として時々腹水や胸水を抜く患者さんがいる程度です。
だから、急性期でバリバリ働いていた看護師にとっては、やりがいを感じにくいかもしれません。
4.退院調整にストレスを感じる

地域包括ケア病棟には患者さんが入院していられる期限が60日と決まっています。
患者さんが期限内に退院できるよう、退院調整をしなくてはなりません。
患者への自己管理の指導をしたり、自宅での生活状況を聴取して自宅での生活を想定した日常生活動作が獲得できるよう計画を立てて支援します。
事情があって自宅に帰れない患者さんの場合には、施設や療養病院など、次の生活の場所を見つけるために、退院調整をすすめていかなくてはなりません。
ご本人やご家族以外にも、病院のソーシャルワーカーや、主治医、担当のリハビリのスタッフ、担当ケアマネージャーなど、様々な職種の人に相談しながら、患者さんが期限内に退院できるよう、退院支援をしなくてはなりません。
退院調整にはかなりの時間が割かれるし、精神的なストレスを非常に感じます。
60日以内という期限は国が決めていることなので仕方ないのに、病院から追い出される、なんて病院なんだ、とご家族から怒鳴られたことが何度もあります。
退院調整が思うように進まないことも多いのです。
日常的な看護業務と並行してやらなければならない「退院調整」は、多職種との連携や家族との連携が不可欠であり、精神的にとてもストレスになります。
精神的にとても辛い仕事です。
5. 患者・家族への指導が大変
今後の生活に向け、患者への指導をしますが、それと同時にご家族にも指導を行ったりします。
高齢の方が多く、患者ひとりでは自己管理が難しい患者さんが沢山いるので、そういった場合にはご家族に病院にきてもらい、一緒に指導したりもします。
そもそも高齢者が多いので理解力が低下しており、性格的にも色々なかたがいるので、なかなか思うように指導がすすまない場合も多く、頭を悩ませることも多いです。
何も分からない患者や家族に一から教えて、手技を獲得してもらうまでには、かなりの時間がかかります。
日常的な看護業務の他に、患者や家族への指導に割かれる時間や労力は非常に負担となります。
患者や家族への指導が大変、ということは地域包括ケア病棟の辛い理由のひとつです。
6. 身体的な負担が大きい

地域包括ケア病棟では、在宅復帰を目指しリハビリに力を入れている病棟であるため、患者さんのADLがアップしていくよう支援しなくてはなりません。
急性期病棟ではベッド上で全介助でオムツ交換をしていたような患者さんでも、徐々に離床を促して車いすでトイレにお連れします。
中にはスタッフ2人がかりの介助が必要な患者さんもいます。
食事も車いすに座って食べて頂けるよう、食事の前には車いすへの移乗を行います。
午後のリハビリ以外の時間では、離床を促すため、車いすに乗って頂きレクレーションに取り組んでいただく、などなど。
一日に何回移乗動作の介助をするかわかりません。
もちろん中にはベッドから下りられない患者さんもいるので、全介助でのオムツ交換や体位変換なども必要です。
地域包括ケア病棟の看護師は、まさに肉体労働だな、と感じることが何度もありました。
特に腰への負担は非常に大きく、腰痛を訴えるスタッフがかなりいました。
急性期病棟より地域包括ケア病棟の方が明らかに身体的な負担が大きいのは、両方経験した私が実際に感じたことです。
身体的な負担が大きいということは、地域包括ケア病棟が辛い理由のひとつです。
7. 看護師の人数が少ない

急性期病棟とは違い、地域包括ケア病棟の看護師の数は少ないです。
急性期病棟では患者さん7人に対し1人の看護師がいたのに対し、地域包括ケア病棟では患者さん13人に対し1人の看護師しかいません。
少ない看護師で看護業務を行わないとならないので、とても負担に感じます。
緩和ケアで麻薬を使用している患者さんもいたり、点滴や薬の投与、経管栄養など、少ない看護師で管理しているので、精神的にも辛いです。
大変さを感じるのは業務時だけではなく、勤務交代がしづらいことです。
地域包括ケア病棟に配属されている看護師の数は少ないので、例えば家庭の事情で勤務交代をしてもらいたい時に、交代できる相手が非常に見つかりづらいです。
急性期病棟では、シフト表を見た時に、勤務交代をお願いできそうな人が数名いたけれど、地域包括ケア病棟のシフト表は、少ない看護師がぴったりパズルのように日勤や夜勤が組み込まれているので、シフト上、交代をお願いできそうなスタッフがいなかったり、いても1人くらいで、その人の予定がだめなら、勤務交代は無理で、自分の予定はあきらめるしかないのです。
子どもの学校って結構急に予定を入れてきたりするので、勤務交代ができず、どうにもならない時にはあきらめるしかありませんでした。
看護師の数が少ない、ということは辛い理由のひとつです。
8. 看護ではなく介護がメインと感じる

地域包括ケア病棟は医療処置が少ないという特徴があり、急性期病棟の看護業務とは内容が全然違います。
急性期病棟では手術出し、検査出し、降圧剤や昇圧剤のスケール管理、点滴、輸血、CV挿入介助、人工呼吸器患者の管理、緊急入院対応などなど・・・
医療処置の管理がメインでバタバタと忙しく動き回っていました。
まさに誰もがイメージする一般的な看護師の業務が中心。
でも、地域包括ケア病棟では、医療処置が少なく、患者さんが退院を目指すための支援をする病棟であり、患者さんの日常生活動作をアップしていく援助がメインです。
全介助レベルの患者さんを何とかトイレに連れて行ったり、尿便意がない患者さんを時間を見ながら声をかけてトイレに連れて行ったり、食事や午後の時間は車いすへ移乗介助してデイルームにお連れする、レクリエーションをする、などなど。
これって看護師じゃなくても良くない?という仕事ばかりに感じることもありました。
心身共に疲れ切っている自分に対し、これってまさに「介護疲れだよね」と感じていました。
看護師として働いているのに、なんとなく心のどこかでいつもむなしさを感じている自分がいました。
急性期病棟のような看護業務のほうが好きな人にとっては、地域包括ケア病棟での看護師の仕事内容が辛いと感じると思います。
働いていて「看護ではなく介護がメインと感じる」ということは、地域包括ケア病棟の辛い理由のひとつです。
9. 急性期病棟の看護師から甘く見られる

これは、地域包括ケア病棟で働いていた時にいつも感じたことなのですが、地域包括ケア病棟の看護師は急性期病棟の看護師から甘く見られているな、と感じることが多々ありました。
「あの病棟で働く看護師には高度な医療に対する知識が必要ないよね」
「誰にでもできる仕事だよね」
「あの病棟って仕事ができない看護師の集まりだよね」
というレッテルが貼られているような感じがしていました・・・(泣)
実際にそんなうわさ話を第三者から聞いたりすることもありました。
そのたびに、プライドが傷ついていく感覚がしました。
地域包括ケア病棟で実際に働いてみると、様々な疾患の患者さんが混在しているがゆえに、自分の専門の科だけではなく幅広い知識や応用力が必要だし、退院後のことまで見通す力が求められるし、多職種との連携からは避けられないのでコミュニケーション能力も求められるし・・・
目の前の看護業務だけをせかせかとこなしていればよかった急性期の時とは違う能力が必要なのです。
このことを、地域包括ケア病棟を経験したことのない看護師には理解できないようです。
緊急入院はないし、医療処置は少ないし、落ち着いてる患者ばかりでいいよね、楽な病棟でいいよね、と、他病棟の看護師たちにはそんな感覚でしか見られていないのだと思います。
こればかりは経験者にしか分からないので、仕方ないですが。
地域包括ケア病棟の看護師は、そんな周りの目は気にせず、自分の仕事内容にプライドを持つしかありません。
自分の仕事にプライドを持てる看護師なら良いですが、そういう偏見が辛くなってしまう人も沢山います。
急性期病棟の看護師から甘く見られてしまうところがある、ということが地域包括ケア病棟ならではの辛さだと思います。
地域包括ケア病棟に向いていない人の特徴
次のような特徴がある人は地域包括ケア病棟に合わないかもしれません。
- 急性期のスピード感が好きな人
- 医療処置で成長したい人
- 変化のある環境が好きな人
点滴や検査、手術、緊急入院など、バタバタと動き回るようなスピード感がある職場が好きな人は、地域包括ケア病棟のように変化がすくない病棟では物足りなさを感じてしまうかもしれません。
また、地域包括ケア病棟では医療処置がほとんどありません。
医療処置の経験を沢山積んで成長したいという人には、地域包括ケア病棟は正直向いているとは言えません。
地域包括ケア病棟に向いている人の特徴
次のような特徴がある人は地域包括ケア病棟に向いているといえます。
- 患者さんとじっくり関わりたい人
- 生活支援にやりがいを感じる人
- 多職種連携が好きな人
ゆっくりした時間の流れの中で、患者さんの話をしっかりと聞きながら真摯に向き合いたい。
患者さんの心に寄り添うような看護がしたい。
患者さんの今後の生活を見据えながら、それに向かって日常生活動作が向上するようなケアをしたい。
ご家族や様々な職種の人との連携を図っていくことにやりがいを感じる。
そんな人は、地域包括ケア病棟に向いています。
地域包括ケア病棟を辞めるべきかの判断基準
次のような状態にある人は、辞めるというのも選択肢のひとつです。
- 毎日出勤がつらい
- 身体的・精神的に限界
- 長く続けても慣れない
出勤すること自体つらくなってしまったり、身体的・精神的な限界を感じている人。
それでも我慢して何とか頑張っているけれど、なかなか仕事に慣れない人。
そんな人がいたら、無理して続ける必要はありません。
地域包括ケア病棟がつらい時の対処法
1.自分の仕事に自信とプライドを持つ
地域包括ケア病棟で働いていると、急性期病棟や他の部署から甘く見られる、下に見られる、プライドが傷つけられるという経験をする人が少なくありません。
しかし私が経験して分かったことは、ここで働いてみないと実際にこの病棟の大変さはわからない、ということです。
実は私も、地域包括ケア病棟を経験する前までは、あの病棟の看護師は楽そうでいいな、と思ってしまっていたのです。(あの時の自分が恥ずかしくなります)
結局は、実際に経験してみないとその大変さはわからないのです。
だから、何を言われようと、「割り切る」ことが大切。
割り切って聞き流してしまうと気持ちが楽ですよ。
地域包括ケア病棟で身に着けた、患者さんの退院後のことまで見通す力、様々な疾患に対応できる知識と応用力、多職種と連携することで獲得したコミュニケーション能力、マネージメント能力。
地域包括ケア病棟を経験しなければ気づけなかった様々なことが沢山あるはず。
どれもあなたの財産です。
そんな自分自身に自信とプライドを持ちましょう。
地域包括ケア病棟での仕事に自信とプライドが持ち、自分を認めることが、あなたのその辛い心を守るひとつの方法になるはずです。
2.異動を相談する
あなたの心身の状態が、さきほど挙げた「辞めたい基準」に当てはまっているとしたら、環境を変えるのが一番の対処法です。
異動というかたちで、まずは同じ病院内で環境を変えましょう。
あなたの上司、病棟師長に直接相談して、他の部署に異動させてもらえるようお願いしてみてください。
あなたのことを考えてくれる職場であれば、きっとその訴えを聞き入れてくれるはずです。
3.転職も選択肢に入れる
部署異動をお願いしたのに聞き入れてもらえない・・・。
あなたが働いている病院がそんな病院だとしたら、その病院を辞めるというのも選択肢のひとつです。
でもいきなり転職って言われても大変、ハードルが高すぎる・・・。
今の職場を本当に辞めていいのか不安・・・。
そう感じてしまいますよね。
その気持ち、すごくよく分かります。
私もあなたと同じ気持ちになったことが何度もありますから。
そんな時には、他にどんな職場があるのか、情報収集をしてみるのがおすすめです。
「いつでも辞められる」と思うだけで、随分気持ちが楽になりますよ。
情報収集に便利なのは、ジョブメドレーです。
ジョブメドレーは自分で転職先を検索するサーチ型なので、面倒な電話はいっさいかかってきません。
転職はハードルが高いので、今はとりあえず登録だけして、時々のぞいてみましょう。
【ジョブメドレー公式サイト】
自分で情報収集する気持ちにすらならない。
疲れ果ててしまった。
全部丸投げしてしまいたい。
そんな場合には、転職サイトに丸投げするのもひとつの方法です。
レバウェル看護なら、自分ではいっさい動かなくても、あなたにぴったりの職場を探してくれます。
もう本当に限界、という人は、まずは気軽に担当者に話を聞いてもらうのが良いかもしれません。
【レバウェル看護公式サイト】
あなたが我慢し続ける必要はありません。
まとめ
それでは本記事まとめです。
地域包括ケア病棟がつらいのは普通です。
- 経験した人にしか分からない独特の辛さがある
- 向き不向きが分かれる
- 無理して続ける必要はない
大切なのは「自分に合った働き方」を選ぶことです。
人生は一度きり。
あなたが少しでも幸せに働ける場所に出会うことを祈っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!



