どうやったらうまく情報収集ができますか?
患者さんとのコミュニケーションの中から上手く情報収集するコツについてまとめていきますね。
<本記事を読むのはこんな人>
・患者さんとの会話が世間話で終わってしまう人
・患者さんから聞きたいことが聞き出せない人
<本記事を読むメリット>
患者さんとのコミュニケーションから上手く情報収集できるコツがわかる
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こんにちは。
看護実習を担当している臨床指導者のもふにゃんです。
看護実習では、情報収集の一環として、患者さんとのコミュニケーションから色々聞き出していく必要がありますよね。
でも、相手のペースに巻き込まれてしまい、結局自分が聞きたい情報が聞き出せずに時間切れとなってしまう・・・
そんな学生さんをよく見かけます。
本記事では、そんなふうに悩むあなたのお役に立てるよう、患者さんとのコミュニケーションから上手く情報収集をするコツについてまとめていきます。
目次
1.患者さんとの初対面から勝負は始まっている
まずは初日が肝心。
受け持ち患者さんと初めて出会う場面から、その後の実習が上手くいくかの勝負が始まります。
スムーズなコミュニケーションがとれる関係性を築くための第一歩として、患者さんに好印象を持ってもらうことが大切です。
あなたが患者さんに与える第一印象は、その後の関係性がうまくいくかどうかに大きく影響します。
第一印象は、出会って数秒で決まるそうです。
心理学者のアルバート・メラビアンが提唱した“メラビアンの法則”によると、見た目と話し方の印象だけで約9割が決まってしまうと言われています。
初めて受け持ち患者さんに挨拶する場面は、特に大切にしましょう。
・明るく
・笑顔で
・さわやかに
・はきはきと
挨拶をしましょう。
緊張しますが、怖い顔ではだめです。無理にでも笑顔で、とびきりの笑顔で明るく挨拶をしてください。
初日の挨拶の方法や、初日のコミュニケーションのとりかたについては、別記事「看護実習の初日のコミュニケーションの方法」でくわしく解説をしています。
そちらの記事をぜひ参考にしてくださいね。
2.様々な場面での会話から情報収集をすることがコツ
コミュニケーションの時間だけが情報収集する場面ではない
看護実習だと、行動計画の中に「コミュニケーション」という時間をつくりますよね。
実習に慣れていない学生さんは、患者さんからの情報収集は、そのコミュニケーションの時間の中でするのもだ、と思っている学生さんがいます。
たしかに、コミュニケーションの時間は、患者さんとの会話がゆっくりとできるので、色々な話ができますが、その時間からすべて情報収集をするのは不可能です。
それに、コミュニケーションの時間にあれこれ次々と質問攻めにするのでは、患者さんも疲れてしまいます。
S情報の収集はコミュニケーションの時間だけにするものではないのです。
様々なケアの場面での会話の中から情報収集をしていこう
看護実習の一日、患者さんと接する場面は沢山ありますよね。
朝の挨拶、バイタルサイン測定、清拭、足浴、散歩、車いす移乗介助、排泄介助、レクリエーション、リハビリテーション見学、検査見学・・・
あなたは実習中、受け持ち患者さんに対し、さまざまな日常生活援助をします。
そして、その援助をしながら、患者さんと必ず会話をするはずです。
会話以外にも、患者さん自ら発する言葉がたくさんあるはずです。
患者さんと触れ合う場面、さりげない会話、患者さんの発言、すべてが情報収集のチャンスです。
様々な場面で、患者さんがどのような発言をしていたか、ということをその都度メモしておき、S情報としてまとめていきます。
でも、ケアの途中や患者さんとの会話の途中でメモするのはNGです。
だからといって、後から思い出そうとしても、なかなか思い出せなかったり、忘れてしまったりします。
だから、ケアが終わって患者さんの元から離れたらすぐ、忘れないうちにすぐにメモをとっておくことがコツです。
【例1】朝の挨拶の場面
たとえば1日の始まりの朝の挨拶の場面では、
学生:
「おはようございます。今日は体調いかがですか?昨夜は良く眠れましたか?」
患者:
「おはよう。体調はかわりないよ。昨夜はあまり眠れなくて、ここ最近、寝つきがあまりよくないんだよね。」
など、ちょっとした質問を付け加えてみることで、睡眠についてのことが聞き出せましたね。
【例2】清拭の場面
たとえば清拭の場面では、入院中の保清ケアについての充足度など、さりげなく聞き出せそうですよね。
学生:
「今は先生からの許可が出ていないので体ふきしか出来ませんが、入院前はお風呂に毎日入っておられましたか?やっぱりお風呂に入りたくなりますか?」
患者:
「そうだね、体を拭いてもらうと気持ちいいけど、やっぱりお風呂に入ってさっぱりしたいよね。お風呂が好きで、入院する前は毎日入ってからね。」
など、さりげない会話から、清潔ケアに対する患者さんの思いを聞き出すことができます。
【例3】車いす移乗介助の場面
車いすの移乗の場面では、移乗が終わった後に、
学生:「体の動きは前と比べるとどうですか?」
患者:「最初よりはずいぶん動くのが楽になってきたよ。」
学生:「そうなんですね。リハビリを頑張っておられる成果が出てるんですね。」
患者:「そうかなあ。リハビリは頑張ってはいるよ。何とか早く退院したいと思ってるからね。」
学生:「動くと足はまだ痛いですか?」
患者:「う~ん、そうだね。動くとやっぱりまだ少し痛いかな。」
こんなふうに、移乗の一場面からでも、前よりも身体機能が向上していること、リハビリに前向きな姿勢で取り組んでいること、早く退院したいと思っていること、動作時には疼痛があること、などなど、たった一つの移乗介助の場面でも、声掛けによってはこれだけの情報を拾うことができます。
【例4】足浴の場面
特に、足浴の場面は大チャンスです。
景色の良いデイルームの窓の外をみながら、ゆっくり足をお湯につけている時間は、色々な話ができるチャンスタイム。
昔の思い出話、趣味の話、病気についてどう思っているのか、これからどのような生活がしたいと思っているのか・・・などなど、ゆっくりと自分を語ってもらうチャンスです。
少し声をかけてみるだけで、次々と自分のことを語り出してくれる、そんな魔法がかかる時間がこの足浴タイムです。
私は学生の頃、足浴のこの時間を大活用していました。
そして指導者になった今も、S情報の収集に困っている学生さんがいたら、さりげなく代わりに質問を投げかけるといった助け舟を出すことが多いのが、この足浴タイムです。
こんなふうに、一日の患者さんと触れ合う様々な場面で、そのケアに関連した質問を投げかけることで、自然に患者さんからの情報を得られることができます。
ケアに集中していまい、情報収集のことなどまったく頭から飛んでしまっている学生さんをよく見かけますが、緊張しながらも、情報収集のことを頭に入れながら行動できるかどうかで、大差がつきます。
様々な場面を利用しながら上手く質問出来ている学生さんは、S情報を良く拾えるし、看護過程の展開がうまくできています。
患者さんの言葉をたくさん引き出せるような声掛けをしながらケアをしていきましょう。
3.聞きづらい質問はバイタルサイン測定時に聞くのがコツ
患者さんとの会話の中で、今聞いたら失礼かな?とか、なかなかその話題にならないと聞きにくい質問ってありますよね?
聞きづらい質問は、バイタルサイン測定後の流れで聞くと、意外と違和感なくさらっと質問できることが多いです。
体温や血圧、脈拍、呼吸、SPO2、など一通りの測定を終えた後、浮腫や疼痛など疾患の観察を行います。体の状態はどうか、色々質問するかと思います。
その流れで質問していきます。
相手の表情をうかがいながら、質問攻めにならない程度に、あらかじめ準備しておいた質問を聞いてみましょう。
排便のこと、食事のこと、入院前の食生活、入院前の内服管理、病気についてどんな説明を聞いているか、自分の病気についてどう考えているか、ご家族のこと、入院していて何か困っていることはないか、今後どのような生活がしたいと考えているか、などなど。
ふだんの会話の中ではなかなか聞けない質問を、さらっと聞くと、患者さんは違和感なく質問に答えてくれると思います。
ただし、患者さんによっては、NGの質問があります。
病気の告知が済んでいない患者さんや、複雑な家庭環境が背景にある患者さんなど、それぞれ色々な事情を抱えていることがあります。
事前にそのような複雑な事情がないかどうか、しっかり把握した上で質問するようにしましょう。
4.聞き出せた情報を整理しながら効率的に情報収集しよう
看護過程の展開を行う上で、ヘンダーソン、ゴードンなど、学校によりどの看護理論に基づいて看護過程を展開していくのか違います。
たとえばヘンダーソンだったら、14の項目を表にまとめておきます。
その表に、患者さんから拾った言葉をS情報として、項目別にどんどん書き込んでいくのです。
そうすれば、どの項目が足りていない、ということがわかります。
そしたら、それを色々な場面でうまく聞き出せるようにしていけば、すべての項目に対するS情報が埋まることになります。
大体2日目くらいにはすべての項目が埋められるようにして、3日目に足りないところの情報を拾っていくと、スムーズに展開していけるはずです。
実習が終わり帰宅したら、振り返りをし、明日は何を質問しようかな?と、質問リストを作っておくと、聞きもらすことなく効率的に情報収集ができますよ。
大変だけどがんばってくださいね。
5.まとめ
さいごにまとめです。
- 患者さんとの初対面から勝負は始まっている
・初日が肝心。好印象を与えスムーズなコミュニケーションがとれるようにする。
・初日の患者さんに与える印象が、その後の関係性の構築に大きく影響する。
・初めて受け持ち患者さんに挨拶する場面は、特に大切にしよう。 - 様々な場面での会話から情報収集をすることがコツ
・コミュニケーションの時間だけが情報収集する場面ではない
・ひとつひとつのケアの中で、患者さんの発言から情報収集をしていこう - 聞きづらい質問はバイタルサイン測定時に聞くことがコツ
・聞きづらい質問は、バイタルサイン測定後の流れでさらっと質問すると、違和感 なく聞くことができる。
・様々な事情を抱えている患者さんもいるので、質問の内容には十分注意しよう。 - 聞き出せた情報を整理しながら効率的に情報収集しよう
・あらかじめアセスメントに必要な項目を表にまとめておくと効率的に情報収集ができる。
・患者さんから拾った言葉をS情報としてどんどん書き込んでいこう。
・質問リストを作っておくと聞き漏らしがない。
以上、コミュニケーションの中から情報収集をするコツについてまとめました。
看護実習は本当に緊張するし、記録や課題がおおくて、本当に大変ですよね(*´Д`)
看護過程の展開をスムーズにしていくためには、情報収集を効率的にすることがポイントとなります。
患者さんとのコミュニケーションがうまくとれ、S情報がたくさん拾えますように。
悩みや相談があれば、ツイッターからのDM,もしくはメールからご質問頂けたら、お返事させていただきますね。
あなたのことを応援しています(*´ω`*)
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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