看護学生生活

看護学校休学中にやるべき学習【休学経験ありの現役看護師が解説】

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A子さん
A子さん
看護学校を休学中です。
今のうちにやっておくべき学習はありますか?
もふにゃん
もふにゃん
はい、あります。
どんな学習をやっておけばよいか、くわしくまとめて行きますね。

こんにちは
主婦から看護師になった現役看護師のもふにゃんです。
臨床指導者として学生さんの指導も担当しています。

私は出産・育児のために、看護学生時代に1年間休学した経験があります。

この時、1年生だったので、休学中にどんな学習をしておけば良いのか分からず、なんとなく勉強して終わってしまいました。

そして復学してから、「ああ、この勉強をもっとしておけば良かったのに・・・」と思ったことが何度もありました。

あなたが私のような後悔をしないために・・・

休学中にどんな学習をしておけば良いのか、についてまとめて行きたいと思います。

本記事を読むメリット

休学中にやっておくべき学習がわかる。

これを参考に学習することで、復学後の負担を軽減できる。

看護学校休学中にやっておくべき学習

私が休学した時には、看護学校休学中にやるべき学習についての情報がなかったため、何を勉強して良いか分からない状態でした。

なので、なんとなく、休学前に学校で学習したことを復習してみたり、まだ授業でやっていないところの教科書を読んで予習してみたり、となんとなくの手探りで自分なりに勉強して、休学期間が過ぎて行きました・・・

あの時、誰かからのアドバイスがあればもっと効率的な学習が出来たのに、と今、強く思っています。

だから、あなたが私のような後悔をしないよう、ここでは、私がやっておくべきだったと感じた学習についてまとめて行きます。

【最重要】解剖生理の学習

なんといっても、解剖生理が最もやっておくべきだったと感じたところです。

解剖生理についての学習はとてもとても大切です。

私はこれに気付いていなかったので、休学中は解剖生理の勉強は少ししかしませんでした。

断言します!

今後、看護について学んでいく上で、解剖生理は必ず身に着けておくべき知識です。

そして、看護師になってからもずっと必要な知識です。

看護実習で例えば心不全の患者さんを受け持った場合、心臓の構造や役割・機能を理解していれば、それが病気で阻害されているのだから、出てくる症状は何か?
どういうところに注意して看護する必要があるのか?その根拠は何か?
などなど、正常な状態での心臓の構造・機能・役割が分かっていれば、これらはそこからつながっていくのでとてもイメージしやすく理解しやすいと思います。

人間の正常な状態での解剖生理を理解しておくことで、病気によって何らかの変化が生じた場合に異常であるという判断が出来るのです。

看護師国家試験でも、解剖生理を理解していないと解けない問題が沢山出題されます。

解剖生理の教科書は分厚いし、どこをどうやって勉強すれば良いのか悩むと思います。

教科書の端から暗記していくのでは効率が悪いし、記憶にも残りづらいと思います。

興味や関心をそそってやる気が出そうな、自分に合った参考書を見つけて、それを中心に学習すると良いと思います。

いくつかおすすめの参考書を紹介しておきますね。

解剖生理のおすすめの参考書

「得意になる解剖生理」

看護学生、看護職者が習得しておくべき人体の構造・機能を10系統に分け、要点がまとめてあります。
各器官系について、解剖→生理の順で記載。
リアリティあふれるイラストを多数掲載。
繰り返し眺めることで、人体各器官のイメージがつかめます。

「解剖生理をおもしろく学ぶ新訂版」

イラストがとても分かりやすく、内容が会話形式で書かれていたりします。
解剖生理に対して苦手意識の強い人でも読みやすく、理解しやすいように工夫されています。

「解剖生理学 超速! ゴロ勉」

解剖生理をゴロで覚えながら楽しく学べるようになっています。
カラフルでイラストがかわいいです。

看護過程の展開についての学習

あなたが1年生、あるいは2年生になったばかりで、実習での看護過程の展開をまだしたことがない場合には、看護過程の展開とは何かについて学習しておくと良いです。

看護学校に復学してから、看護実習に取り組みやすくなります。

この先、看護実習での肝になるのは、この看護過程の展開についての学習です。

各学校により、どの看護理論をもとに看護過程を展開しているのかは違います。

ヘンダーソン、ゴードン、ロイ、オレムなど、色々ありますが、あなたの看護学校ではどの理論をもとにしているのかについて、まずは把握してください。

基本的な展開の方法は同じなのですが、各看護理論によって、患者さんから得た情報を整理する枠組みが違うので、自分の学校と同じモデルで学習したほうが、混乱せずに済みます。

おすすめの参考書をいくつか紹介しておきます。

「看護がみえる 看護過程の展開」

みえるシリーズはとにかくわかりやすいです。
看護過程の展開をするとはどういうことかについて、とても丁寧に説明されています。
これから看護過程を学ぶ学生さんにおすすめできる参考書です。


「看護過程展開ガイド」

こちらもとてもわかりやすい内容になっていて、看護理論が理解しやすいです。
看護過程の展開を、ヘンダーソン、ゴードン、NANDA-I等の主要な理論・枠組みでわかりやすく解説。
情報収集から解釈・分析、関連図、看護計画、サマリーまで、実習記録の書き方がわかるようになっています。


看護実習に向けた資料準備をする

余力があったら、看護実習のための資料集めをしておくと良いです。

基礎看護実習と違い、専門領域の実習はそれぞれの分野によって特徴があり、それを意識して看護過程を展開していくことになります。
専門実習が始まると、ほぼ毎日実習の状態が長期にわたるので、あらかじめ参考書を見つけておくと、実習への取り組みが効率的になります。

専門領域の実習が本格的に始まると
・短時間で情報収集をしなければならないことの難しさ
・情報収集したことを整理してアセスメントをし問題を明確化するまでの大変さ
・個別性のある看護計画を立案し、それを実施することの難しさ
・実施したことを振り返り、計画を修正・改善して次の日に活かしていくことの大変さ
これらを痛感する毎日が待っています。

特に最も大変な山場は、実習が始まってすぐの情報収集⇒アセスメント⇒問題の明確化までの流れです。

私も学生の時には毎回、これが本当に辛かったことを思い出します。

各専門領域の特徴やポイントを理解しておくと、とてもスムーズに実習に入れます。
そして、受け持つ患者さんの疾患に関する看護過程の展開の資料や病態関連図などがあれば、とても役立ちます。

休学中の時間がある時に、代表的な疾患の病態や看護、関連図などの資料を集めてまとめておくと良いです。

ただ、自分が受け持つ患者さんの疾患は、実習が始まる時に初めて分かります。
どの疾患の患者さんを受け持つかは分からないので、休学中はとりあえず資料集めだけしておく、というスタイルで大丈夫です。

役立ちそうな参考書を紹介しておきます。

「疾患別看護過程」

私が看護学生だった時、この参考書は大活躍してくれました。
手元に置くと安心のお勧めできる参考書です。

カルテが読める“イラストでみる病態生理、症状、診断、合併症、治療、薬剤一覧”。
病期・病態・重症度からみたケアのポイントがみえる“看護過程フローチャート、情報収集、アセスメント、ケアプラン、評価”。
患者の全体像がみえる“病態関連図”。
ほしい情報がすべて揃ったオールインワン。

「症状別看護過程」

この本も、私が学生の頃に手元に置いていた参考書です。
疾患ではなく、症状からの切り口で看護過程を展開していく方法が詳しく解説されています。

実習で遭遇しやすい62症状を取り上げ、すべてに医学解説+看護解説を掲載。
“目でみる症状”などイラストやチャートを多用したビジュアルな医学解説と、ケアの流れやポイントだけでなく患者の全体像がみえる“病態関連図”でより理解を深める看護解説。
さらに、観察やアセスメントと並行して対処すべき緊急対応もカバーした、実習必携の1冊。

「症状別看護過程 アセスメント・看護計画がわかる!」

こちらも症状別にまとめられている参考書です。
22の症状に対し、わかりやすくまとめられています。
関連図はそのまま実習に活用できそうなものが掲載されています。


「領域別看護過程展開ガイド」

こちらは、専門領域別にそれぞれの特徴を踏まえながら看護過程の展開の仕方についてわかりやすくまとめられた参考書です。


学生さん向けの看護雑誌を読もう!

参考書を買ってみたけれどなかなか読む気がしない・・・
とりあえず買ったので、後で読めばいっか・・・

こんな風に思うこと、たくさんありますよね。
そんな気持ち分かります。

なかなか学習のモチベーションが保てない場合には、看護雑誌を読むことをお勧めします。

私は学生の時、情報が入ってこなかったので気づかなかったのですが、看護学生向けの雑誌があるのは知っていますか?

看護実習のことや看護師国家試験のこと、普段の学習のこと、学生ならではの悩みのことなどなど・・・

色々な情報が載っていて、読むのも苦にならないのでおすすめです。

あなたが看護学校に復学した際にも必ず役立つ情報が満載です。

そして、この雑誌に掲載されていることは、看護実習などにそのまま役立つものばかりですよ。

いちばんのおすすめの雑誌は、照林社から出版されているプチナースです。

気に入ったら定期購読するのも良いかもしれませんね。


看護技術の学習・準備をしておこう

看護実習で必ずやることは看護技術です。

学内の演習でももちろんやりますし、技術の試験もあります。

休学中の時間があるうちに、看護技術の学習をしておくと良いです。

実技の練習をしても忘れてしまいそうなので、休学中にやっておくべきおすすめの学習は、看護技術の手順を根拠・留意点とともにまとめておくことです。

全身清拭、陰部洗浄、洗髪、足浴などなど・・・実習でやりそうな看護技術の手順をまとめておきます。

なぜ、まとめておくのが良いのか、というと、看護実習での計画の立案に役立つからです。

看護実習では、受け持った患者さんに合わせて、個別性のある計画を立案する必要がありますが、ベースとなる計画は同じです。

ベースとなる計画に追加したり、修正したりすることで個別性のある計画にしていくわけです。

だから、基本となる手順をまとめておくだけで、実習に入って看護計画を立案する時、効率的に書くことが出来ます

看護技術の教科書で十分かと思いますが、さらに根拠や留意点がわかりやすくまとめられている参考書もあるので、紹介しておきます。

各ケアの根拠や留意点は、そのまま実習の計画立案の際に活用できるので持っていると役立ちます。

看護技術についてのおすすめ参考書

「看護がみえる 基礎看護技術」

みえるシリーズは本当に分かりやすいです。
基礎看護技術の手順、注意点や根拠など、とても分かりやすく丁寧にまとめてあります。
看護学生さんにとてもお勧めできる参考書です。

看護師国家試験の学習を始めておこう

私が休学に入ったのは1年生の頃だったので、国家試験の勉強はまだまだ先だろう、と思って、これに対する勉強はしませんでした(;゚Д゚)

なぜやらなかったのだろう?と後から思いました。

あなたがまだ1年生でも、やっておいた方が良いです。

国家試験の勉強は膨大な範囲から出題されます。

このため、3年生になってから・・・なんて考えていると大変な目にあいます(;´д`)

3年生は看護実習のオンパレードでただでさえ大変。

あなたが育児をしているママだとしたら、さらに大変。

国家試験の勉強の時間は思うように取れません!!

1年生はまだ学校で勉強したことが少ないので、当然のことながら、いきなり国家試験の問題をやろうとしてもチンプンカンプンかもしれません。

でも、国家試験対策の参考書を購入して、解説を読みながら勉強して行けば大丈夫です。

暗記しなければならないことも膨大にあります。

少しでも早く始めていた方が良いです。

国家試験対策におすすめの参考書・問題集をいくつか紹介します。

国家試験対策のおすすめ参考書・問題集

「看護師・看護学生のためのレビューブック」

レビューブックは看護学生のバイブルと言ってよいほど人気がある参考書です。

私も看護学生の頃、購入し、これを手元に置きながら国家試験の問題集に取り組んでいました。

こちらのレビューブックは問題集ではなく、疾患や看護のことを中心にまとめられている参考書です。

レビューブックに載っていないことや、ちょっとした語呂合わせの暗記法や、覚えやすい図・絵などなど、付箋に書いてレビューブックに貼ったりしながら、自分なりの参考書を作り上げていくことも、看護学生の楽しみのひとつとも言えます。

新人看護師の頃にも重宝しましたよ

ただ、最新版がやっぱり欲しくなると思うので、看護学校に復学してから、3年生になる頃に購入するのでも遅くはないです
あまり早い段階で購入してしまうと、細かい制度や法律が少し変わったりすることがあるので、国試に向けてなら、最新版で学習するのがおすすめです。


「クエスチョン・バンク」

こちらはレビューブックと同じ出版社から出されている問題集です。
レビューブックを手元において、こちらの問題集を解いていく、というスタイルで国試の勉強をする学生さんが大勢いる、いちばん人気の問題集です。
レビューブックと対応しており、参照ページつきなので効率よく学習ができます。


「QB必修」

こちらは必修問題の対策のための問題集。
これもレビューブックと同じ出版社から出ている問題集で、レビューブックに対応しているので効率的に学習がすすめられます。
クエスチョンバンクと合わせて学習することで、国試対策がばっちりできます。


「看護師・看護学生のためのなぜ?どうして?」

なぜ?どうして?シリーズもレビューブックと合わせて勉強できます。

なぜ?どうして?シリーズは国試をもとに作られています。

会話形式やイラストでわかりやすい参考書です。

過去10年分の国家試験出題内容がしっかり解けるように作られています。
根拠が載っているので、実習の際にも役立ちます。


妊娠・出産・子育てを通しての学習

あなたがもしも、出産・育児のために看護学校を休学しているのだとしたら、ぜひ知っておいてください。
妊娠~出産~子育ての経験はそのまま看護の勉強につながって行きます。

母性看護学の学習はあなたが体験したこと全て、役立ちます。

妊娠による体や気持ちの変化は体験済み。

自分の変化を振り返ることで誰よりも理解できているはず。

また、胎児の成長過程についても、お腹の赤ちゃんの成長を見守ってきたことで、誰よりも理解しやすいはずです。

母性の看護実習では、母親と新生児(胎児)を受け持ち、周産期の母子の看護過程の展開を行います。

分娩の過程を実体験しているので、何よりも強みのある学習が出来ています。

産褥期ならではの体の変化や気持ちの変化など、誰よりも理解できているので最強ですよ。

一般的に学生さんは、コミュニケーションをとることが難しい実習と言われています。

しかし、出産を体験したあなたの場合には、「実は私も○○か月前に出産を経験したんです」という切り口から褥婦さんへ話しかけてみると、向こうも親近感を持ってくれ、自然にコミュニケーションがとれるはずです。

母性の実習では、新生児のお世話もしたりします。

実習中、新生児のおむつ交換をしたり、ミルクをあげたり、沐浴をしたりという体験があるかと思いますが、何度も経験したことがあるので自信を持って行うことが出来ます。

また、子育ては小児看護学の学習にもそのまま役立ちます。

乳児の成長過程については、自分の子どもの成長を見守る中で自然に学習できています。いつ頃首がすわって、どのくらいでお座りをして、ハイハイをして、いつごろからつかまり立ちをして・・・

なんていう成長過程の学習が自然に出来るわけです。

また、看護の勉強には、妊娠や育児に対する国や自治体の施策・活動なども含まれています。

一般的に、法律や制度、社会の仕組みなどは、興味がわきにくいようで、看護学生さんたちには嫌われる分野です。

でもあなたの場合には、妊娠や出産・子育てに対する国の施策や自治体がやっていること、保健センターの役割などについても、日常生活の中で自然に学習できます。

妊娠・出産・子育てをする中で、地域の自治体や保健センターに出向く機会が沢山出てくるからです。

例えば、

  • 妊婦に対し保健センターで実施される母親学級がある
  • 分娩にかかった費用を一部負担してくれる制度がある
  • 出産後には役所に14日以内に出生届を提出する必要がある
  • 出産後に保健師さんが自宅に母子の様子を見に来る訪問がある
  • 保健センターで乳幼児に対して検診が行われている
  • 自治体が子どもの医療費を保障してくれる制度がある
  • 乳幼児は予防接種のスケジュールに沿って様々なワクチンを接種する必要がある

などなど・・・・

まだまだ沢山のことがありますが、こんな風に日常生活の中で、自然に学習が出来ているわけです。

これらは、普段の学校の学習で役立つことはもちろん、看護師国家試験にもよく出てきたりしますよ。

もちろん、妊娠や子育ての中では細かい施策のことなどは分からないと思いますが、後でいざ学習しようと思った時に、過去の体験が必ず絡んでくるので、とても暗記しやすいです。
実際に私もそうでした。
あなたの妊娠・出産・子育ての経験はこれからあなたの武器になりますよ!

看護学校の休学中にやるべきこと【育児編】現役看護師・臨床指導者です。私は看護学生時代、妊娠・出産のために1年間休学をしたという経験があります。生まれてきた子どものために、休学中に必ずやっておくべきことがあります。実体験をもとに、分かりやすくまとめました。...

看護学校休学中にやるべきこと【学習編】まとめ

1.休学中にやっておくべき学習は以下の6つ
・解剖生理の学習【最重要】
・看護過程の展開についての学習
・看護実習の資料準備(余力があったら)
・看護雑誌を読む
・看護技術の学習
・看護師国家試験の学習
2.妊娠・出産・育児はそのまま看護の学習につながる

以上、看護学校休学中にやっておくべき学習についてまとめました。

復学すると、毎日が本当に大変です。

先取りして学習しておくことで、復学してからの学校生活の負担が少し軽くなるはずです。

休学中の今、しっかりと学習しておくことで、最も辛いだろう看護実習期間においても、学習しておいたことが役立ち、効率的に取り組めるはずです。

毎日コツコツ頑張って行きましょう。

本記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。

あなたの頑張りを応援しています。

最後まで読んでくださりありがとうございました。