学生はどのように管理すればよいですか?
どこを観察したらよいのかも不安です。
学生さんの実習を担当している臨床指導者のもふにゃんです。
実習中の点滴管理の方法と観察のポイントについてまとめていきますね。
この記事は看護実習で受け持つ患者さんが点滴をしているといった看護学生さんに役立つ記事になっています。
<本記事を読むメリット>
- 学生がすべき点滴の管理の方法がわかる
- 点滴施行中の観察のポイントがわかる
- 看護実習への不安が小さくなる
看護実習中の点滴管理の方法
投与されている点滴とその目的について把握しておく
受け持ちの患者さんがどんな点滴をしているのか?
どういう目的で投与されているのか?
必ず把握しなくてはなりません。
自分が実習に行っている時間のことだけではなく、24時間の中でどのような点滴スケジュールになっているのかを把握することが大切です。
焦るのは、最初は点滴をしていなかったはずなのに、ある日実習に行くと突然始まっている場合ですよね。
その場合には、その日のケアの計画も早急に修正しなくてはなりません。
点滴の薬剤の名前だけでなく、その薬剤にどのような作用があり、なぜ点滴が始まったのか?どういう目的で投与されているのか?を考えて、朝の行動計画の発表の時に追加しなくてはなりません( ゚Д゚)
頭が真っ白になりますよね・・・
そんな時のお助けアイテムはやっぱりこれ。
医学書院の看護医学電子辞書です。
私は学生の頃、この看護医学電子辞書に何度助けられたかわかりません。
わからないこと、調べたいことがサクッと調べられるので、急な計画の変更・修正に対応できます。
時々いじわるな逆質問をされても、これで調べて何とかしのいでいました。
この辞書の活用方法は別記事「電子辞書は看護学生・新人看護師に必要?おすすめ辞書のメリット・デメリット」にまとめてあります。
まさに最強のお助けアイテムです。
実習が不安でたまらない学生さんは手元に置いておく価値ありですよ(*’▽’)
ケアの計画には点滴のことも入れておく
バイタルサイン測定、清拭・シャワー浴などの清潔ケア、車いす移乗・トイレ誘導などのケアなど、それぞれの看護計画には点滴のことも必ず入れておきましよう。
点滴は漏れたり、同一部位でのライン確保期間が長くなったりしたら、新たな末梢ラインを取り直します。
その時は左腕から点滴をしていたとしても、いつ他の部位に変わるかわかりません。
だから、計画に入れる時には、「左上肢」とか「右上肢」と表現するのではなく、「点滴をしている方の上肢」「点滴をしていない方の上肢」という表現で書いておくことがコツです。これなら、左右どちらに変わっても修正せずに済みます。
点滴施行中のケアの手順を確認しておく
点滴をしている場合、ケアの施行時に注意しなくてはならないことがたくさんあります。
点滴施行中のケアの具体的な方法や留意点について、計画に追加しておきましょう。
ポイントは実際の流れをイメージしておくことです。
淡々と紙面上で計画に追加しただけでは、実際にケアをする時に頭が真っ白になります。実際のケアの流れを具体的にイメージをしておくと良いです。
例えば清拭時には点滴をしていない方の腕から脱いでもらい、寝衣を着る時には点滴の方の腕から着てもらう、など。
点滴をしながら車いすへ移乗するには、どこに点滴台を置き、どっち方向に回っていただきながら車いすに移乗するのか?など。
ゆ
具体的な手順を確認しイメージしておくと、実施の時に慌てずに済みます。
観察をしっかりして異常時には報告をする
点滴施行中は観察すべきことがたくさんあります。
観察のポイントをこの後、まとめますね。
観察をしていておかしな、と異変に気付いたら看護師にすぐに報告してください。
報告の方法については、別記事「看護実習での点滴の報告の方法」に具体例をあげながらまとめてあります。
クレンメや点滴機器には勝手に触らない
学生さんは単独で点滴やポンプに触ることは絶対にないと覚えておきましょう。
点滴が終わってしまいそうだからクレンメを閉めたい・・・
という気持ちは分かりますが、勝手に触ってはいけません。
輸液ポンプやシリンジポンプなどには設定のボタンがたくさんついており、勝手に触ってしまうと設定が変わってしまい大きな事故につながるおそれがあります。
絶対に勝手に触ってはいけません。
必ず看護師に対応してもらいましょう。
点滴施行中の観察のポイント
点滴をしている患者さんを受け持った時には、観察しなければならないことがたくさんあります。
点滴施行中の観察のポイントをまとめていきますね。
投与されている点滴の作用や目的は?
投与されている点滴は何という名前でどんな作用がある点滴か、何の目的で施行しているのか、をしっかりと把握する必要があります。
自分の受け持ちの患者さんに投与されている点滴について、事前に調べておきましょう。
点滴ボトルの患者名が合っているか?
看護師が投与開始時に確実に確認していますが、万が一別の患者の点滴だったりしたら大変なことになります。
患者名が合っているかを、何よりも最初に確認します。
点滴投与の方法は?
点滴投与の方法はいろいろあります。
同じ末梢静脈ラインからの投与であっても、手動で投与されている場合と、輸液ポンプやシリンジポンプなどの機器で投与されている場合があります。
中心静脈ラインから投与されている場合もあります。
患者の様子に異変はないか?
点滴投与により副作用が出る場合があります。
急に苦しそうにしていないか、気分不快が出ていないかなど、患者さんの様子がいつもと変わりないか観察しましょう。
何か異変を感じたら、すぐに指導者やスタッフに報告してください。
点滴の報告について、別記事「看護実習での点滴の報告の方法」にまとめてあります。
実習前にチェックして、報告に役立てて下さいね。
点滴刺入部位に異常はないか?
点滴もれがあると、点滴の針の刺入部周囲が赤くなっていたり腫れたり、痛くなったりします。
点滴漏れにより、刺入部の固定テープやフィルムなどが濡れることもあります。
点滴の刺入部位の観察をしっかりしましょう。
三方活栓の方向はあっているか?
三方活栓が正しい向きになっていないと、患者さんへ輸液が入っていかなかったり、最悪の場合には患者さんの血液が外に漏れだしてしまうこともあります。
看護師が必ず確認していますが、三方活栓の向きが途中で変わってしまうことがあります。
たとえば認知機能が低下している患者さんが、何となく触って向きを変えてしまったり。
どこかに引っかかったりして向きが変わってしまったり。
何らかの外力によって三方活栓の向きが変わってしまうことがあります。
三方活栓が正しい方向になっているか、継続的な観察が必要です。
点滴のルートが屈曲・圧迫されていないか?引っ張られていないか?
点滴のルートが患者さんの体の下に入って圧迫されていたりすることがあります。
刺入部が関節付近の場合には、患者さんが手首や肘をずっと曲げたままにしてしまうと、点滴が屈曲されて点滴が閉塞されることもあります。
このような場合、関節を絶対曲げないで、ということは不可能なので、ずっと関節を曲げたままにしないようにすることがポイントです。
患者さんに曲げたままだと点滴が落ちない状態であることを説明し、時々腕を伸ばしてもらうよう意識して欲しいことを伝えておくようにして、ずっと曲げているようなら声をかけて伸ばしてもらったりする配慮をしましょう。
点滴のルート内に異物や空気が入っていないか
点滴開始前、点滴ボトルやルート内に異物の混入がないか看護師は確認しています。
点滴投与開始時には、必ずエア抜きをしてから開始します。
しかし万が一、ルートに異物やエアが入っているのを見つけたら、近くにいるスタッフに速やかに声をかけて確認してもらいましょう。
その場に一番近くにいるスタッフに声をかけ、すぐに対応してもらうことが大切です。
点滴のルート接続部が外れたりゆるんだりしていないか?
点滴のルートの接続部や三方活栓などが万が一外れてしまうと、点滴が患者さんに正しく投与されません。
最悪の場合には、患者さんの血液が逆流して、脱血してしまうこともあり危険です。
点滴のルート接続部の観察をしっかりしましょう。
点滴機器に異常はないか?
患者さんの中には、輸液ポンプやシリンジポンプを使用して点滴が投与されている場合もあります。
ポンプでは1時間の投与量や終了予定時刻などがわかります。
細かいことは看護師になってから覚えれば大丈夫です。
電源が入っていて作動しているか、コードがぬけていないか、アラームが鳴っていないか、をチェックしましょう。
なんらかの異常がある場合にはアラームが鳴ります。
もしもアラームが鳴ったら、患者さんに手元のナースコールのボタンを押していただくか、近くにいる看護師に声をかけて対応してもらいましょう。
点滴の滴下速度はどのくらいか?
点滴の滴下速度は看護師がクレンメを調節して、医師の指示通りに滴下できるように、滴下調整をします。
しかし患者さんの体位や関節の動きなどの影響で、滴下数がずれることがあります。
点滴を施行中の場合には、どのくらいの速度で滴下されているのかを確認します。
そして、途中で明らかに早くなったり遅くなっていたりしていないか、確認していきます。
この時、絶対に必要なのは秒針つきの時計です。
腕時計だとケアの際にじゃまになったり、車いすの移乗介助時など、患者さんに直接触れる時に、患者さんに当たって痛かったりすることがあるので、要注意です。
腕時計を外したりつけたりするのが大変なら、ポケットにつけたりできるタイプの時計がおすすめです。
かわいらしいデザインのものがたくさんあります(*’▽’)
もちろん看護師になってからも大活躍です☆
点滴の残量はどのくらい?時間はあとどのくらいかかる?
点滴の残量があとどのくらいかを確認します。
そして、あとどのくらいの時間で終わるかを計算します。
点滴ボトルにメモリがついていますので、あと何mlくらい残っているのか確認しましょう。
そして、滴下数と残量を計算式に当てはめて、かかる時間を計算します。
<滴下数の計算方法>
★一般用のルート(1ml≒20滴)
1分間の滴下数=(20滴×点滴総量)÷(指定時間×60分)
★小児用のルート(1ml≒60滴)
1分間の滴下数=(60滴×点滴総量)÷(指定時間×60分)
本当は内緒!・・・(こっそり裏技紹介)
実習中、点滴の滴下数は計算式に当てはめて計算します。
でも、普段落ち着いて計算できることも、緊張のあまり何が何だかわからない状態になってしまうこともありますよね。
やばい、早く計算して報告しなくちゃ・・・
焦れば焦るほど頭が真っ白になってしまう( ゚Д゚)
その気持ちよくわかります。
そんな時のお助けアイテムが輸液ゲージです。
輸液ゲージは点滴の量と点滴にかける時間の数字を合わせると、1分間あたり何滴おとせばよいのか、一瞬で分かっちゃう優れもの。
これさえあれば、「計算できないよ、どうしよう・・・泣」という不安と恐怖から解放されちゃいます。
まさに魔法の道具・・・(*’▽’)
ただ、これを堂々と使っているのがバレたらだめです(-_-;)
学生のうちからこれを使っていたら、たぶん叱られることの方が多いです。
ちゃんと自分で計算してね、とか、計算の仕方わかってる?なんていう突っ込みが入ります。
だからこっそり!!ポケットにしのばせておいて、バレない様に使いましょう。
指導者としては、ちゃんと自分で計算してね、と言いたいところですが・・・
私も学生の頃、すごく緊張するタイプだったので、焦れば焦るほど頭が真っ白で計算できなくなってしまう・・・というあなたの気持ちも、本当によく分かるんです。
もちろんこの輸液ゲージは、看護師になってからも大活躍しますよ。
実習中はとにかく、助けてもらえるものはどんどんかしこく利用しましょう。
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どうやって計算したの?なんて意地悪な質問に備えて、計算式はメモ帳にちゃんと書いておきましょうね。
そうすれば、「この式に当てはめて計算しました」と答えられます。
もちろん国試の時にはきちんと計算できなくてはなりません。
点滴の計算が出題されますからね。
だからちゃんと計算の方法は、勉強しましょう。
実習中の点滴管理の方法と観察のポイントまとめ
それではまとめです。
<点滴管理の方法>
・投与されている点滴とその作用や目的について把握しておく
・ケアの計画には点滴のことも入れておく
・点滴施行中のケアの手順を確認しておく。ケアの流れをイメージしておくことが大切。
・ケアをする時の具体的な方法や留意点について、計画に追加しておく。
・観察をしっかりして異常時には報告をする
・クレンメや点滴機器には勝手に触らない。必ず看護師に対応してもらうこと。
<点滴施行中の観察のポイント>
・投与されている点滴はなんの点滴か?その目的は?
・点滴ボトルの患者名が合っているか?
・患者の様子に異変はないか?→副作用に注意。
・点滴刺入部位(発赤、腫脹、痛みがないか。固定テープやフィルム)
・三方活栓の方向はあっているか?
・点滴のルートが屈曲・圧迫されていないか?引っ張られていないか?
→ルートが引っ張られることによる点滴の抜去に注意。
・点滴のルート内に異物や空気が入っていないか
・点滴のルート接続部が外れたりゆるんだりしていないか?
→血液が逆流して脱血してしまうこともあり危険。
・点滴の滴下速度はどのくらいか?
・何の輸液が投与されていて、どのくらいの時間で終了しそうか?
以上、実習で受け持った患者さんが点滴をしている場合の管理の方法についてまとめてみました。
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実習、ホントに大変ですが頑張ってください!
応援しています!!
最後まで読んでくださりありがとうございました(*’▽’)